福岡県大牟田市浅牟田町の三井化学大牟田工場から有毒な塩素系ガスが漏れた事故で、三井化学は28日夜に記者会見し、岡田一成常務執行役員らは「多くの方に多大なる迷惑、心配をかけた」と陳謝した。
会見で岡田氏らは「関係当局の調査に協力し、一刻も早く原因を明らかにする」「責任を重く受け止めている」と厳しい表情で述べた。三井化学によると、27日午後5時半過ぎに工場内のガス検知器が作動し、塩素系ガスの漏えいを確認。午後7時過ぎに稼働を停止した。
市消防本部によると午後6時過ぎ以降、工場近くから「気分が悪い」といった119番通報が相次ぎ、午後10時50分ごろまで対応に追われた。大牟田署は業務上過失傷害容疑を視野に捜査を始めた。
市などは同日開催中だった名物行事「おおむた大蛇山まつり」を中止し、屋内避難を呼びかけた。
一方、県は28日に再発防止のための協議会を設立し、大牟田市とともに原因を調べる。
県によると、この日の協議会ではウェブで参加した市から、工場の使用したガスを再利用する棟の配管に亀裂が入り、ガスが漏れた可能性が高いと報告があった。市や県などが工場を立ち入り調査しており、今後は市と南筑後保健福祉環境事務所(柳川市)が、亀裂や事故の原因の調査を継続。三井化学に再発防止を要請する方針。【降旗英峰、森永亨】
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