全国高校野球選手権大会は第10日の15日、阪神甲子園球場で花巻東(岩手)―東洋大姫路(兵庫)の2回戦があり、東洋大姫路は九回無死二塁の場面から、阪下漣投手(3年)が2番手で登板した。
阪下投手は最速147キロの右腕として今春のセンバツで注目された。しかし、先発した1回戦の壱岐(長崎)戦で、右肘の張りが出て、1回2失点で降板していた。
15日の試合は右肘の故障からの復帰登板となり、打者3人から2三振を奪うなどして無失点に抑えた。試合は東洋大姫路が8―4で勝利し、8強入りした2011年大会以来、14年ぶりに3回戦へと進んだ。
阪下投手は「足が震えた……」と振り返り、仲間から受け取ったウイニングボールは「お父さんとお母さんに渡したい」と笑顔を見せた。
試合後の阪下投手の談話は次通り。
東洋大姫路・阪下漣投手
<復帰登板は4点リードの九回無死二塁の場面だった>
(マウンドに向かう際の大声援に)鳥肌が立った。マウンドでは足が震えていた。(センバツ1回戦の)壱岐戦で連続四球を出して、球場には苦い思い出があった。
もう一度そうなったら……というネガティブな思いもあったが、(遊撃手の)高畑知季や(二塁手の)渡辺拓雲が声をかけてくれた。チームのために腕を振った。
(抑えられて)ホッとした。
<先発の木下鷹大投手からは何という声掛けがあったか>
「4点差あるから、おまえなら大丈夫。後にも投手はいる。思い切り腕を振ってこい」と。
(チームを引っ張ってきた)木下が作ったピンチを抑えたいと思った。木下の次に投げられてうれしい。
<手にしているウイニングボールはどうしたいか>
(主将の)渡辺が(監督の)岡田(龍生)先生にボールを渡したときに、「(阪下)に渡しておいてくれ」と言われたらしく、もらった。
お父さん、お母さんがけがの中でもずっと言葉をかけてくれた。(ボールは)お父さん、お母さんに渡したい。
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