もし“生産規制なし”が続いたら……試算が示すプラごみ汚染の深刻度

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プラスチック汚染根絶に向けた条約交渉が開かれた国連欧州本部近くに設置されたシンボル「The Thinker’s Burden」。関係者が日々足していったプラごみは、会期末には像の首もとにまで達していた=スイス・ジュネーブで2025年8月14日午後8時41分、高橋由衣撮影
プラスチック汚染根絶に向けた条約交渉が開かれた国連欧州本部近くに設置されたシンボル「The Thinker’s Burden」。関係者が日々足していったプラごみは、会期末には像の首もとにまで達していた=スイス・ジュネーブで2025年8月14日午後8時41分、高橋由衣撮影

 「プラスチック汚染を終わらせる」。3年半前、国際社会が決議したはずの約束は、またしても先送りされた。スイス・ジュネーブで開かれたプラ汚染根絶に向けた条約策定のための政府間交渉委員会は15日、今会合での条文案合意を断念した。対立する国々の主張は平行線をたどり、行き詰まりを打開する手立ては見つからない。

 年々深刻化するプラごみ汚染を前にして、条約づくりに向けた国際交渉は再び足踏みを繰り返した。

 15日の全体会合終了後、アフリカのある交渉官は「こんな結末は誰も望んでいない。事態はもっと悪くなりえるだろう」とこぼした。強い規制に一貫して反対してきたサウジアラビアの交渉官も「今は何も考えられない。この結果は理想的なものではない」とため息交じりに会場を後にした。

 プラごみ汚染は歯止めがかからない。経済協力開発機構(OECD)が2022年にまとめた報告書によると、…

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