中国「情緒」と「理性」が分ける消費の明暗

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 「中国経済は大変なんでしょう?」。夏休みに日本に一時帰国した際、知人にそう聞かれて返答に困った。

 確かに消費は停滞し、不動産不況は深刻だ。北京市内の商業施設の空き店舗の多さは見慣れた光景になった。

 ただ、その実力を過小評価もできない。巨大市場を背景に、ヒット商品や新サービスが次々と生まれている。人工知能(AI)など先端技術の進歩は目覚ましい。

 もともと先進国と途上国の二面性がある中国経済だが、さらに実像がつかみにくくなっている。その複雑さを「情緒」と「理性」というキーワードで読み解いてみたい。

 最近、中国では「情緒消費」が景気の新たなけん引役として期待されている。

 若者を中心に、実用性だけでなく、自分が楽しみ、心身を癒やすための「情緒(感情)」を重視する消費スタイルを指す。代表格は、中国の玩具メーカーが販売するキャラクター「LABUBU(ラブブ)」の大ヒットのようなグッズ市場の活況だ。

 関連する業界は、生活を彩る日用品や旅行、ペット、飲食など幅広い。中国メディアは今年の市場規模を2兆元(約40兆円)と報じている。

 「あなたにとっての情緒消費は?」。街に出て北京市民に聞いてみた。

注目の「40兆円」市場とは?

 大学を卒業したばかりという20代女性は…

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