2011年3月の東日本大震災で、当時の人口の1割弱が犠牲になった岩手県大槌町で15日夜、鎮魂の花火が打ち上げられた。犠牲者数と同じ1286発の花火が夜空を彩り、町民らが津波で命を奪われた人たちに思いをはせた。
大槌町には8月上旬、町営の震災追悼施設「鎮魂の森あえーる」が開設された。花火は施設の開設に合わせて追悼の思いを形にしようと、町がお盆中の震災関連行事として初めて実施した。
打ち上げ前には、平野公三町長が防災行政無線を通じて町民にメッセージを送り、「東日本大震災の津波から14年5カ月。今一度、別れを言えないまま遠くに旅立った人たちに思いを寄せてほしい」と呼びかけた。
鎮魂の森そばの防潮堤には多くの人が訪れ、大槌湾に打ち上げられた花火を見つめていた。【奥田伸一】
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