全国高校野球選手権大会は第11日の16日、阪神甲子園球場で3回戦があり、日大三(西東京)が高川学園(山口)に9―4で勝利し、一番乗りで8強入りした。日大三の準々決勝進出は7年ぶり。
三塁側応援席で試合前に、野球部父母会長の近藤健太朗さん(41)が「三高らしく打ち勝ってほしい。粘り強く戦ってくれれば」と願った通り、日大三打線が相手の2投手から15安打、9点を奪って快勝した。
後攻の日大三は一回に1点を先取されたが、その裏に1死二、三塁で田中諒(2年)の遊ゴロの間に三塁走者の松永海斗(3年)が生還して同点。嶌田大翔(同)の中前適時打で勝ち越した。
さらに2死二、三塁から安部翔夢(同)の左越え2点三塁打が飛び出した。「真ん中の直球が芯に当たった。甘い球が来たら、初球から振り抜こうと決めていた」と胸を張った。近藤優樹(同)の中前適時打も出て、5―1とリードを広げた。
二回2死二、三塁では竹中秀明(同)が直球を右中間に運んで2点を追加した。「チェンジアップも頭にあったが、引きつけて打てた」と笑顔を見せた。
三回に3点を失って7―4で迎えた七回、2死一、二塁で松岡翼(同)が左翼線を破るダメ押しの2点二塁打を放った。「それまで4打席全て凡打だったので、打った瞬間ホッとした」と表情を緩めた。
中4日の登板で尻上がりに調子を上げた先発・近藤は10安打を打たれたものの2試合連続の完投勝利。「打者が打ってくれたので、気持ちが楽になった」と笑みを浮かべた。三木有造監督は「率直にうれしい。近藤は立ち上がりに芯を捉えられていたが、よく立ち直った」と喜んだ。
雨でぬれた扇子、100本作り直して…
三塁側応援席では、ダンス部員約30人が「全国制覇」と筆で力強く書かれた扇子を空に掲げるなどの華やかなパフォーマンスでチームを後押しした。このパフォーマンスは5番の嶌田大翔(3年)が打席に立った際に流れる応援曲に合わせて披露される。その効果か、嶌田は2安打1打点の活躍を見せた。雨の中で行われた11日の初戦で扇子がぬれて使えなくなったことから、2年生部員が14日に100本を作り直したという。田頭柚子部長(2年)は「作り直すのは大変だったが、勝ってほしい気持ちを筆圧に表した」とほほえんだ。
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