
福岡県大牟田市大正町に市中心街の活性化を狙った「MONOMINA(モノミナ) HOTEL Stn.1」(6階建て31室)が開業した。宿泊客に食事は提供せず、市中心部の飲食店街に繰り出してもらう。
同市の運送会社「白石自動車」がカラオケボックスだった建物を買い取って改装した。ロビーは世界遺産、旧三井三池炭鉱宮原坑(同市)の坑道を思わせる半筒状の形にし、客室には有明海の夕日や大蛇山まつりなど市の風物の写真を飾った。モノミナは大牟田弁で「皆」の意味で「全ての人にほほえみを届ける」という思いを込めた。
同社のグループは2024年4月、同市北磯町に炭鉱電車の展示施設「炭鉱電車ステーションゼロ」も開設し、炭鉱閉山(1997年)で人口減少が加速する街のにぎわい作りに力を入れている。

大牟田観光協会長も務める同社の白石政嗣社長(72)は「ホテルの周囲は料亭やスナックが並ぶ飲食店街。泊まって食べて飲んで観光してほしい」と利用を呼びかけている。市によると、市内の宿泊施設は11軒376室(2022年現在)。入り込み客数に対して不足気味で、宿泊希望者を市内の宿泊施設にとどめるという課題がある。
一方、同市中心部でビジネスホテルを展開する「KMY」は、隣接する熊本県荒尾市の公募に応じ、旧荒尾競馬場跡地「海陽スマートタウン」に9月ごろ、ビジネスホテル(2階建て48室)を着工し、26年4月ごろ開業予定。スマートタウンは26年6月、目玉の施設となる「道の駅あらお」が開業予定で、荒尾市産業振興課は「宿泊施設の新設は消費拡大につながる」と期待している。【降旗英峰】
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