2025年の夏、いかがお過ごしでしょうか。暑さ対策をしつつ、旅行や帰省の計画を立てている人も多いのでは?今回は全国各地の「地域トリビア」を厳選して紹介します(随時掲載)。家族や旧友、旅先の人たちとの話題にチェックしてみてください。ふるさとの意外な一面も見えてくるかもしれません。
1トンの砂で刻む1年
「鳴り砂」の浜辺・琴ケ浜で知られる仁摩町(にまちょう)(現・島根県大田市)が、1991年に開設した「仁摩サンドミュージアム」。屋根に大小6基のガラス張りのピラミッドが並ぶ特徴的な外観で、三角形を取り上げる算数や数学の教科書で紹介されたこともある。
このうち最も大きなピラミッド(高さ21メートル、底辺17メートル四方)内に、世界最大の1年計砂時計「砂暦(すなごよみ)」がある。ドイツ製で、高さ5.2メートル、直径1メートル。ガラス職人が手作りできる最大サイズとされ、ギネス世界記録に認定された。中に1トンの砂が入っており、内径0.84ミリのノズルを伝って1年かけて落下する。
館内には「一日分の砂」のコーナーがあり、1日分2740グラムの砂が計量器に載せられている。また、高さ50センチほどの「12時間計砂時計」は、砂時計の繊細さを体感できる。上部のひょうたん部分を両手で覆うと、温度が微妙に上がって下向きの圧力が高まり、砂がよく流れる。反対に下部を覆うと、上向きの圧力が強まり、砂の流れが止まる。「砂暦」では容器の上部と下部で5メートルの高低差があり、落ちる砂の量が温度で異なるため、コンピューターで圧力を制御している。入館者は実験を通じて、こうした仕組みを学ぶことができる。
砂暦は恒例の年越しイベント「時の祭典」で、年男と年女ら計108人がロープを引っ張って反転させる。同館の小川英二・事務局長は「これからも安定して時を刻むよう努力していきたい」と話す。
Comments