絹谷幸二さんが亡くなった。昨年の夏頃から具合が悪いと聞いていたものの、この5月には個展会場でギャラリートークをされたと耳にして、何となく安心していた。いつもエネルギッシュで、病気の影など感じさせなかった絹谷さんがこんなに急に旅立つとは残念でならない。包容力のある笑顔と優しい声が、今なお記憶によみがえる。
絹谷さんの色鮮やかでバイタリティー溢(あふ)れる作品は、ずいぶん前から見知ってはいたが、直接お会いするようになったのは2016年で、若手芸術家を支援するために08年に毎日新聞と共に創設した「絹谷幸二賞」の選考委員の一人に加わってからだ。
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