米ホワイトハウスで18日にトランプ大統領と会談したウクライナのゼレンスキー大統領は、黒いスーツ風の上下とシャツを着用した。ネクタイはしていなかった。出迎えたトランプ氏は「とてもいい」と賞賛し、ゼレンスキー氏の肩に手を回した。両首脳は戦時の「正装」を巡りぎくしゃくした経緯があり、ウクライナ側が配慮した形だ。
ゼレンスキー氏はロシアによるウクライナ侵攻開始以降、前線の兵士への連帯を示すため、外交や政治の場でもカーキ色のTシャツやトレーナーなどの着用を続けてきた。
2月にホワイトハウスで会談した際、両首脳は報道陣の前で激しい口論を繰り広げた。この時、トランプ氏は国章の入った黒い長袖シャツ姿のゼレンスキー氏の装いを「着飾っている」とやゆし、米国の保守系メディアの記者も「敬意を欠く」と批判した。
今回、報道陣からゼレンスキー氏に「そのスーツは素晴らしい」との声が上がり、トランプ氏も「私も同じことを言ったんだ」と笑った。
欧米メディアは、ゼレンスキー氏が着ていた黒いミリタリー調のジャケットとシャツは、6月にオランダで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の時と同じ服装ではないかと報じている。
米ニュースサイト「アクシオス」によると、ホワイトハウスは今回の会談に先立ち、ウクライナ側にゼレンスキー氏がスーツを着用するかを確認していたという。【ニューヨーク八田浩輔】
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