青森県五所川原市の障害者支援施設「栄幸園」で2024~25年に職員が入所者に虐待行為をしていた疑いがある問題で、施設が3年前に別の虐待行為で市から行政指導されていたことが判明した。施設側は改善計画書を提出したが、その後も虐待行為が繰り返されていた可能性がある。
毎日新聞が情報公開請求で入手した市福祉政策課の報告書や関係者によると、22年9月頃に同園の入所者が同市内の病院を受診したところ、施設職員から虐待を受けていることが疑われたため、病院側が障害者虐待防止法に基づき市に通報した。
市は訪問調査を行い、虐待行為が認められたとして、園側に行政指導し、改善計画書の提出を求めたことを22年11月に県に報告した。園側は改善計画書の中で、認定された虐待行為について「絶対にあってはならない行為」とした上で「再発防止に向け、施設全体として取り組み、職員・利用者の安全と安心できる環境向上に努めます」などと記載していた。
虐待を受けた入所者は別の施設に移ったという。同園は毎日新聞の取材に、3年前の虐待行為について「一切お答えできない」と話した。市福祉政策課は「開示した文書以上の事は公表できない」と話した。
同園では24~25年に複数の入所者に対して拘束状態にしたり、顔面を殴打したりした疑いが浮上。市は今年6月以降、職員に任意の聞き取り調査を繰り返し実施した。【松本信太郎】
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