感染力が非常に強い麻疹(はしか)の患者が、福岡県内でも急増している。県は17日、県内ではしかに感染した人が8月だけで5人いたと発表した。県は「マスクや手洗いだけでは予防できず、ワクチンが非常に有効。まだ受けていない子どもは早めの接種を」と呼びかけている。
県によると、4~15日に福岡市や春日市などの0歳~40代の男女5人がはしかに感染。いずれも海外渡航歴はないという。うち3人は発症日前後に、福岡市地下鉄を利用したり、大分県のテーマパークを訪れたりしていた。
2025年の県内の患者は17日時点で計8人。新型コロナウイルスが広がり海外渡航者が激減した20年以降、年間0~1人とほとんど感染は発覚していなかった。全国的に患者が増加傾向にあり、県内も今年に入って増加が目立っている。
はしかは飛沫(ひまつ)や接触で感染し、約10日間の潜伏期間を経て発症。39度以上の高熱と発疹などの症状が表れる。まれに肺炎や脳炎を発症し、死亡することがある。
はしかは、ワクチン接種や免疫がなければ、感染すると高い確率で発症するといわれる。公共交通機関など不特定多数の人が集まる場所では、感染が一気に広がる恐れがある。県の担当者は「疑わしい症状がある場合は病院に相談し、公共交通機関を避けるなどして受診してほしい」と呼びかけた。【田崎春菜】
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