全国高校野球選手権大会は第13日の19日、阪神甲子園球場で準々決勝があり、前回大会覇者の京都国際が山梨学院に4―11で敗れ、夏の連覇はならなかった。
京都国際の小牧憲継監督は試合後、先発したエース左腕・西村一毅(いっき)投手(3年)の成長をたたえた。
京都国際・小牧憲継監督
山梨学院さんがただ、強かった。完敗です。
昨秋、春(の公式戦)は、劣勢の時でもあっけなく敗れたチームが、(九回に2得点で)意地を見せて食らいついてくれた。そこが成長だし、うれしい。
<連覇を期待されるチームだった>
確かに選手は思っている以上のプレッシャーを感じていたかもしれないが、昨秋と春に敗れた結果が全て。まずは京都大会を勝ち抜くことに必死で、「今年は今年」と割り切っていた。
今年の3年生は入ってきた当初、実力的に厳しい子たちだった。(上手に)キャッチボールもできないような世代で、ほとんどのポジションでレギュラーを下級生に奪われてしまうのではないかと思うほどだった。よく頑張って、最後にこの舞台に戻ってこられた。
上には上がいたのも良い勉強になる。今日の悔しさを次のステージに進んでほしい。
<西村投手の投球内容は>
今日は悪くなかった。西村の能力を山梨学院さんが上回った。すべてのボールにタイミングが合っていた。ストレートを見逃してもらえず、変化球も完全に見切られてしまい、ちょっと浮いたら一発で仕留められた。
<西村投手の成長をどう感じたか>
去年、(夏の甲子園で優勝の瞬間にマウンドに立って)胴上げ投手になり、「エースらしくならないと」「去年よりすごい球を投げないといけない」と考えていた。苦しかったと思う。
それが力みにつながってフォームを崩し、武器のチェンジアップも彼なりに進化を求めてきたが、本来のバランスの良さを失ってしまった。
7月上旬は悲惨な状態で、練習試合も投げては四球か打たれるかだったが、「絶対に甲子園に行きたい」という気持ちのおかげでしょうか、7月中旬くらいからようやく光が見えて、本来の良さを取り戻した。
以前は打たれると下を向いて、先輩がなだめてくれていたのが、今年は打たれてもベンチの前で声を出し、投げない時も率先して他の投手に声をかけて、先頭に立って何でもやってくれた。最後は殻を破って、立派な背番号1になってくれた。
投手は高校から本格的に始めて、まだまだ素人です。良い時も悪い時もありますし、それもまた西村。大学に進みますが、4年後にドラフト1位で指名を受けて、いずれは日本を背負って立つ投手になってほしい。今は西村がナンバーワン(の投手)とは思わないけど、伸びしろは高校生でナンバーワンだと思っている。今日のめった打ちを食らった経験を、次のステージに生かしてほしい。
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