福岡県鞍手町は、町制施行70周年記念行事の一環で、20年前に町内の各小中学校で埋めたタイムカプセルを開封した。17日に同町小牧の鞍手町中央公民館で開かれた開封イベントには当時の生徒や学校関係者ら約120人が参加し、それぞれの作品を確認しながら級友との再会を楽しんでいた。
町は2005年、町制施行50周年記念として20年後に開封するタイムカプセルを企画。小中学校8校の在校生らが未来の自分にあてた手紙などをタイムカプセルに入れて各校の敷地内に埋設した。今回は発見できなかった1校をのぞく7校で見つかり、鞍手町中央公民館に集められた。
17日のイベントでは、各校の校長や在校生らがタイムカプセルを掘り起こす様子などが映像で紹介された。旧鞍手北中で教頭としてタイムカプセルの埋設に関わった外園哲也教育長は「20年の時を経て開封するタイムカプセル。当時、何を入れたか思い出していただければ」とあいさつした。
タイムカプセルが開封されると自分にあてた作文や、鞍手町の未来をイメージした絵画などが出てきた。当時の在校生らは笑顔で内容を確認しあったり、懐かしそうに作品を手に取ったりしていた。当時西川小5年の杉本佳絵さん(30)は、楽しかった出来事を書いた自身の作文を手に取り、「何を書いたか覚えていなかった。改めて読むと、今より純粋だったなあと感じる」と笑みをこぼした。当時同小1年だった妹の北島志保さん(26)は未来の鞍手町をイメージし、「観覧車などの遊園地があり、みんなで楽しく遊べるような地域になってほしい」との思いを込めた絵を描いていた。2人は現在、宮若市で暮らすが「鞍手町はいいところ」と口をそろえた。
開封された作品は町で1年間保管され、今回の開封イベントに参加できなかった当時の生徒たちには希望があれば返却するという。問い合わせは町まちづくり課(0949・42・2033)へ。【岡村崇】
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