
フィギュアスケート男子で活躍した島田高志郎選手(23)=木下グループ=が、櫛田育良(いくら)選手(17)=木下アカデミー=と組んで今季からアイスダンスに挑戦する。本格的なシーズンインを控えた8月上旬、島田選手が毎日新聞の取材に応じ、転向を決めるまで2シーズン前から続いた心の葛藤、転向を決断した覚悟、率直な胸の内を明かした。【玉井滉大】
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「結果を求めることがしんどくなった」
木下アカデミー京都アイスアリーナ(京都府宇治市)の一角で取材の時間を待っていると、島田選手が自動販売機で飲み物を買うために、記者の近くを通りかかった。身長176センチの体はシングル時代と変わらず細身に見えるが、Tシャツの袖の奥にのぞく上腕二頭筋には、たくましい筋肉が蓄えられていた。
「今は体の土台作りを頑張っています。とりあえず、食べて食べて。体重は昨年12月から6~7キロ増えましたね。氷上では動きまくっているので、消費に追いつかないと、筋肉も増えていかない。毎回、苦しくなりながら食べている感じです」
シングル選手としてはジュニア時代から頭角を現した。15歳だった2016~17年シーズンは、全日本ジュニア選手権で2位に入り、世界ジュニア選手権に出場。元世界王者のステファン・ランビエル・コーチの指導を受け、17歳のシーズンでは同世代の国際主要大会、ジュニアグランプリ(GP)ファイナルで3位。全日本選手権でも5位と、並み居るトップ選手の間に割って入った。
シニア転向後も国際大会で活躍し、22年の全日本選手権では2位となった。
だが、このシーズンを最後に競技をやめる考えもあったという。全日本で良い演技をし、表彰台に上がる目標を成し遂げた上に、体の状態が思わしくなかったからだ。
ランビエル・コーチと話し合う中では指導者への転身など、さまざまな選択肢を提案された。だが「…
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