第107回全国高校野球選手権大会第13日の19日、15年ぶりの都勢対決は日大三(西東京)が関東一(東東京)を5―3で降し、2018年以来7年ぶりのベスト4進出を決めた。日大三は四回に4安打を集めて3点を先制。五回には田中諒(2年)のソロ本塁打も飛び出した。関東一は日大三を上回る10安打を放ったが、反撃を阻まれた。日大三は大会第14日第1試合(21日午前8時開始予定)で県岐阜商(岐阜)との準決勝に臨む。
「東京対決」をバックネット裏の放送席で万感の思いで見つめていたのが、両校で監督を務めたU18(18歳以下)日本代表監督の小倉全由(まさよし)さん(68)。民放の生中継の解説を終えて「強打の日大三と粘り強い関東一。両校のチームカラーが出た好ゲーム」と選手たちをたたえた。
日大三OBの小倉さんは日大卒業後の1981年に関東一の監督に就任し、87年センバツで準優勝した。97年に日大三監督に転じ、2001年夏に全国制覇。11年夏に2回目の優勝を飾り、23年3月に勇退した。甲子園春夏通算37勝は史上10位タイ。
両校が甲子園で対戦するのは初めてで、東西の東京代表として同時出場するのは小倉さんが関東一を率いて初出場で8強入りした85年夏以来。「やはり感慨深い。幸せですね」と目を細めた。試合前日には日大三の練習会場を訪ねて選手たちに「勝ち負けじゃなく、笑顔でいい野球をして」と呼びかけた。
関東一の米沢貴光監督(50)は関東一時代の教え子で、日大三の三木有造監督(51)は日大三時代のコーチ、部長。両校ともに、この日は2失策。「守備のミスが勝敗を分ける。あれはよくない」と苦言も忘れなかった。【早川健人】
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