悪送球、凡退にも折れず 県岐阜商4番が感謝のサヨナラ打 甲子園

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【横浜-県岐阜商】延長タイブレーク十一回裏県岐阜商2死一、三塁、坂口がサヨナラとなる適時打を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月19日、平川義之撮影 拡大
【横浜-県岐阜商】延長タイブレーク十一回裏県岐阜商2死一、三塁、坂口がサヨナラとなる適時打を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月19日、平川義之撮影

高校野球・夏の甲子園準々決勝(19日)

○県岐阜商8―7横浜(神奈川)●

 息詰まる大激戦に終止符を打ったのは、県岐阜商の4番・坂口路歩(ろあ)の一振りだった。

 春夏連覇を目指す横浜を相手に「勢いは絶対に負けていない」と一歩も引かなかった。序盤のリードを追いつかれて延長戦へ。タイブレークに入った延長十回は3点ずつを取り合い、一進一退の攻防が決着したのは、十一回だった。

 横浜の攻撃をゼロに抑えた後、県岐阜商は2死ながら一、三塁とし、坂口に打順が回ってきた。

【横浜-県岐阜商】延長タイブレーク十一回裏県岐阜商2死一、三塁、横浜をサヨナラで破り、喜ぶ県岐阜商の選手たち=阪神甲子園球場で2025年8月19日、平川義之撮影 拡大
【横浜-県岐阜商】延長タイブレーク十一回裏県岐阜商2死一、三塁、横浜をサヨナラで破り、喜ぶ県岐阜商の選手たち=阪神甲子園球場で2025年8月19日、平川義之撮影

 2球で追い込まれたが「打てる気はしていた。焦らず、どっしりと」。「手を出さない」と決めていた外角低めを見極め、最後はやや浮いた4球目の140キロを逆らわずはじき返した。左翼手の前で打球が弾むサヨナラ適時打に、試合後は晴れ晴れとした様子で「まだ信じられない」と語った。

 ここまで悔しさの連続だった。1年生から4番を任されたが、こだわってきた勝負強さを発揮しきれず、過去には4番を外されたこともある。

 この試合は六回の一塁守備で、二ゴロの併殺かと思われたプレーで一塁ベースに自分の足が届かずセーフになり、さらに本塁へ突入した二塁走者を刺そうとして、味方がいない本塁へ悪送球するミスをした。九回2死満塁のチャンスでは二ゴロに倒れた。

 焦りもあったが、気持ちを切らさずグラウンドに立てたのは、「仲間の声がけで冷静になれた」からだ。

 「大丈夫」と「ありがとう」を合言葉に戦ってきた夏は、最大で残り2試合。最高の仲間と、最後まで白球を追い続ける。【川村咲平】

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