
昨年の衆院選に続き、7月の参院選でも躍進した国民民主党の存在感が高まっている。衆参とも与党が過半数を割り、野党の協力なしに政権運営は成り立たない。世論の一定の支持を受ける国民民主の立ち位置が、国政を左右し得る状況だ。政策本位を掲げる同党が、連携相手の見直しや連立入りの選択を迫られる場面もありそうで、玉木雄一郎代表の判断が注目される。
「右でなく左でもなく、一緒に上へ」
玉木氏は1日夕、東京・新橋駅前のSL広場で参院選後初の街頭演説を行った。締めくくりに、頭上を指さして呼びかけると、広場を埋め尽くした数百人の聴衆は同じポーズを取り、「上へ」と声をそろえた。
このフレーズは玉木氏が以前から使ってきたもので、保守にもリベラルにも寄らず、政策実現を目指す党の姿勢を示すものとされる。岸田文雄前政権下で野党ながら2022年度の本予算に賛成するなど、「独自路線」を説明する際にも使われてきた。
参院選比例票は野党トップ
国民民主は参院選の比例票で野党トップの約762万票を獲得し、改選前から4倍増となる17議席を得た。所得税がかかり始める「年収の壁」の178万円への引き上げなどの減税政策を訴え、若者や現役世代の支持を集めた。
中規模政党がキャスチングボートを握る状況だが、玉木氏は参院選直後から「約束を守らないところとはやれない」として、石破茂政権との連携を否定する。「年収の壁」引き上げなど、昨年12月の自民・公明との3党幹事長合意が十分に果たされていな…
Comments