
世間の耳目を集める数々の裁判で無罪や勝訴を勝ち取り「カミソリ」「無罪請負人」の異名を取るこの人も、もうじき傘寿を迎える。弁護士の弘中惇一郎さん(79)。メディアの取材姿勢や報道を何度も批判してきたのは知っているから、身構えてしまう。だが、面と向かって話すと、その物腰も表情も、実に柔らかなことに気づく。
東京都心の事務所に飾られた絵画は、自作という。かつて本紙のインタビューでこう語っていた。「絵を描くには、構図だとか色のバランスだとか、遠くから見たり近くから見たり、何が抜けているかとか、いろいろと考えるわけですよ。弁護士の仕事というか(弁護を請け負った)事件にもそういうところがある。似ている気がしますね」
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