「人間魚雷」の基地跡に残るレール 千葉・南房総

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大房岬の浅瀬に今も残る人間魚雷「回天10型」の基地跡。レールが今も浅瀬にそのままにされている=千葉県南房総市で2025年7月7日、滝川大貴撮影
大房岬の浅瀬に今も残る人間魚雷「回天10型」の基地跡。レールが今も浅瀬にそのままにされている=千葉県南房総市で2025年7月7日、滝川大貴撮影

 千葉県南房総市の大房岬には、砲台や弾薬庫などの戦争遺跡群が今も残る。干潮時に岬の入り江に下りると、浅瀬から朽ちた2本のレールが顔をのぞかせていた。

 戦跡の保存や歴史・文化遺産の調査に取り組むNPO法人「安房文化遺産フォーラム」によると、ここには本土決戦を想定した「回天10型」の基地があったという。

 回天は爆薬を積み、乗り込んだ兵士が操縦して敵艦に体当たりするため、「人間魚雷」と呼ばれた。大房岬のレールは、回天を射出するためのものとみられている。

 南房総市の山中では、特攻機「桜花」が出撃する秘密基地も建設中だった。近隣の館山市でも、特攻艇「震洋」が1945年8月までに配備。迫り来る本土決戦を前に、緊迫した状況だったことがうかがえる。

 同フォーラムの池田恵美子共同代表は「本土決戦となり、ここから人間魚雷が出撃していたと思うと恐ろしい。特攻基地が二度と造られないためにも、戦争遺跡の風化を防ぎたい」と話した。【滝川大貴】

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