
一見まともな3人。しかし、コントが進むにつれて、狂気的で異常な世界観が前面に出てくる。
「全員独身ですし、別に資格も持ってないですし。守るもんもないし、希望もねえし、もうやるしかなかったって感じっすね。本当に現実見なくてよかった。助かった」。結成から18年を振り返り、笑う3人。人生を注ぎ込んで、着実に力を付けたコントがトリオ「や団」の強みだ。
トリオの全員が観客を引き込む高い演技力を持つ。度を越えた狂気と異常さに、思わず笑ってしまう。さらに、一人だけが振り回される様子に面白さが加速していく。服を脱ぎ、イスも体も飛ぶダイナミックな展開に、会場は笑いの渦に包まれていく。
「や団」の本間キッドさん(42)、中嶋享さん(43)、ロングサイズ伊藤さん(44)は、初となる単独ツアー「ザ・ファースト・ワールド・ツアー」に臨んだ。
6月28日から7月30日まで、東京、大阪、名古屋の3都市で全8公演が行われた。披露したコント8本は、新ネタ3本を含めて全て今年作られたネタだ。
「キングオブコント(以下KOC)」で2022年から3年連続の決勝進出を果たした「や団」。ようやくこの規模の単独ツアーを行えるようになったことに対して、本間さんは「ホッとした。(初めて)決勝が決まったときに思ったのが、決勝が終わった次の日から、また同じ生活が始まったらどうしようって恐怖心がすごかった」…
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