
ロシア・カムチャツカ半島付近で起きた巨大地震によって約1500キロ離れた日本の太平洋沿岸部に津波が押し寄せた。「遠地地震」のため日本国内で大きな揺れが感じられない中、各自治体はどう津波に対応し、今後何に気をつけるべきなのか。
本土最東端にある北海道根室市。地震発生(30日午前8時25分ごろ)の12分後に気象庁が津波注意報を発表すると、漁港では漁業者たちが船の破損を防ぐため沖合に船を出す「沖出し」を徐々に始めた。
市危機管理課の職員は「突然、注意報が来た。遠地地震は(事前に揺れを感じないので)仕方がない」と話す。1960年のチリ地震では発生の丸1日後に津波が到達したが、今回の到達予想時間は午前10時。注意報が警報に切り替わったのは午前9時40分だった。
市内には防災無線のサイレンが鳴り響き、高台へ避難する車の列ができて一時渋滞した。市職員たちは市民に避難を呼びかけつつ、防潮堤の閉門や避難所の開設などに追われた。前出の職員は「千島列島は観測地点が少なく震源の特定などに時間がかかる。早めに注意報が出たことを良しとしたい」と振り返った。
津波警報が出た範囲の最も西に位置する和歌山県。約17万5000人に避難指示を出した和歌山市の松林誉・総合防災課長は「地震の揺れがなく分からない部分もあったが、北海道から津波が実際に観測されてきたので行政無線で沿岸部にいる人たちに避難を呼びかけた。警報に…
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