WBA・WBCフライ級統一王座タイトルマッチ(30日・横浜BUNTAI)
●寺地拳四朗 判定(1―2) リカルド・サンドバル(米国)○
「通過点」と位置づけた一戦で、痛い黒星だった。2階級制覇を果たしてきた寺地拳四朗が、4年ぶりに敗れてベルトを失った。試合後は客席に手を合わせ、何度も頭を下げた。
昨年10月の世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトル戦でTKO勝ちし、ライトフライ級との2階級制覇を果たした。今年3月の前戦では、世界ボクシング協会(WBA)王者のユーリ阿久井政悟に劇的なTKO勝ちを収め、2団体王座統一を達成した。
2階級制覇や王座統一がかかった過去2戦に比べれば、今回はWBC2位、WBA3位と実績では見劣りする相手だった。しかし、スーパーフライ級との3階級制覇も見据えていた王者は、足をすくわれた。
7月、米専門誌が選定する全階級を通じた最強ランキング、パウンド・フォー・パウンド(PFP)で寺地は9位に入った。
17年5月に初めて世界ベルトを獲得してから約8年2カ月。世界戦の黒星は21年9月の1敗だけで、世界的評価は上がってきている。今回は「PFPを上げるには、勝ち方もある。いい試合をしたい」と臨んでいた。
世界戦の通算勝利数は16勝で、井上尚弥の25勝、井岡一翔の22勝に次ぐ日本男子3位。まさかの敗戦で、先行きは見えなくなってきた。【飯山太郎】
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