
第96回都市対抗野球大会に出場する近畿第1代表、大阪市・NTT西日本の辻本勇樹選手(29)は近畿2次予選の全4試合に「8番・捕手」で出場し、6割超の高打率を残した。
守っては多彩な投手陣を引っ張り、攻守の要として輝きを放った。
7年目を迎えて社会人野球を代表する捕手の一人に成長したが、「あの日がなければ今の自分はないかもしれない」と語るターニングポイントがあった。
都市対抗に出場する全32チームのキープレーヤーに迫ります
全32回のうち2回目
「理由ですか? 結局、聞くことはありませんでした。訳も分からずでしたが、一日一日全力でやるだけでした」
それは、あまりにも突然だった。北海道・北海高2年の遊撃手だった辻本選手は、監督から「今日は(捕手の)防具をつけてシートノックに入るように」と指示を受けた。
捕手は未経験だっただけに「数日で終わるものだろう」と思っていたが、そんなことはなかった。俊足を生かしたフットワークの軽さと肩の強さを見抜かれたのか、その日から捕手としての野球人生がスタートした。
「内野の守備はあまり得意ではありませんでしたが、投げるの…
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