第70回全国高校軟式野球選手権大会決勝(29日・明石トーカロ)
○中京(東海・岐阜)3―2あべの翔学(大阪)●
中京の持ち味は、平中亮太監督いわく「最後まで諦めず、泥まみれでひたむきに頑張る野球」。そんなチームの執念が、1点を追う九回の攻撃に表れていた。
2死走者なしと追い詰められるも、1番の垣内惺矢が左前打で出塁した。続く北川絢士郎(けんしろう)は「相手が嫌がることをする。つなげば後ろがなんとかしてくれる」と粘った16球目で四球をもぎ取る。
バトンを受けた主将の稲垣和真が狙い澄まして変化球を中前に運び、同点に。四球を挟み、満塁から曽我凰晟(おうせい)が高めに浮いた変化球をたたきつけ、サヨナラの遊撃内野安打に。「思い切り振りにいったが、(打球が)弾んでくれたので後は駆け抜けるだけだった」。どんな形でも1点を取りにいく攻撃の先に、前人未到の大会4連覇が待っていた。
強さの源は、堅守に加え、ダウンスイングで打球を高く弾ませて走者を進める軟式特有の「たたき」だ。
現チームは昨秋の東海大会、今春の岐阜大会でいずれも優勝を逃し、「(チームの完成度が)ずっと1カ月遅れているような状態だった」(平中監督)。しかし、守りや「たたき」をはじめとする小技で走者を還す野球を春以降の追い込み練習で徹底し、夏の大一番に間に合わせた。
2017~19年の3連覇を上回る4連覇の扉をこじ開けられたのは、「良いメンバーがそろったからとかではなく、この日に照準を合わせて誰よりも練習を重ねてきたから」。新たな黄金時代に平中監督は目を細めた。【吉川雄飛】
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