2026年の公式戦から高校野球に指名打者制(DH制)が取り入れられることになった。日本高校野球連盟が1日決めた。今夏の甲子園大会に出場する監督、選手からはさまざまな声が聞かれる。
津田学園(三重)の佐川竜朗監督は「打撃練習をすることによって体作りができる面もあり、投手の体作りにはマイナスになる一面もある」と持論を語る。
社会人野球の日本通運で中軸打者だった自身の経験も踏まえ、「バッティングはやはり全身の筋肉を使う。(DH制が)採用されたとしても、うちの投手には打撃練習を継続させたい」と話した。
天理大監督としてDH制を敷く大学野球で監督を長く務めた天理(奈良)の藤原忠理監督は、歓迎の理由として選手心理と采配を挙げる。
「近年の野球は走力が非常に高いが、走力に自信のない子は自分から(気持ちが)引いてしまう。DHが使えると『僕はバッターだ』と胸を張って練習できる」と話す。
采配面では、投手が打席に立たないため、継投のタイミングが考えやすくなるという。
プロ野球のオリックスに所属する吉田輝星(こうせい)投手を兄に持つ金足農(秋田)のエース右腕・吉田大輝(たいき)投手(3年)は主に6番打者で起用されており、「自分はバッティングもピッチングも好きなので、DHは使われたくない」という。
その上で「ピッチャーに集中できるようになるという面では楽かなと思う。練習でバッティングとピッチング(の両方)に時間を割くのが難しい時期もある。人によっては、DHがあった方が良いというピッチャーもいると思う」と語った。【吉川雄飛、石川裕士、深野麟之介】
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