(世界文化社 1760円)
17歳、思春期まっただ中のわたしは社会や政治に対する疑問にとらわれ、自分の存在価値や生き方に迷っていました。野口体操で知られる東京芸術大学の野口三千三(みちぞう)先生に出会ったのはちょうどその頃、神奈川県立青少年センターで開かれた演劇講習会に参加したときのことです。
「成人のからだの60~70%は水です。水のように柔らかになめらかに動くこと。それは、みずみずしくしなやかに生きることにつながります」
頭ばかりで考えてガチガチになっていたわたしのからだとこころの中に、野口先生の言葉はそれこそ水が染みこむように入ってきました。「世界でたった一つのわたしのからだ、世界でたったひとりのわたし。自分自身を信じてみよう」
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