
第2次トランプ米政権が1月に発足してから半年。「米国の黄金時代」を築くと宣言したトランプ大統領は高関税措置の実施や不法移民対策の強化などの公約を次々と実行している。強権的な手法によって、米国の姿はどのように変容しているのか。現地から報告する。
出身国でない国に追放も
トランプ米政権は移民に寛容な姿勢だったバイデン前政権から方針を一転させ、不法移民の積極的な摘発を政権の実績としてアピールしている。今年中に100万人の不法移民の国外退去を目指すとしているが、強権的な手法への反発は強く、産業界からも疑問の声があがっている。
トランプ氏は大統領に返り咲くとすぐに、「国家非常事態宣言」を出してメキシコとの国境に軍隊を派遣する大統領令に署名。南部国境での亡命申請手続きの受け付けを中止し、前政権が人道的な措置として数十万人のベネズエラ人に与えた、一時的な滞在・就労を認める資格も取り消した。
3月中旬には、1798年制定の「敵性外国人法」の活用を布告し、ベネズエラ移民ら約250人を「犯罪組織のメンバー」として裁判手続きなしにエルサルバドルの刑務所へ移送。犯罪歴のある不法移民を出身国ではない南スーダンに追放したこともある。
移民・税関捜査局(ICE)による拘束者数も急増している。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)…
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