昭和の時代に人気だったかき氷が令和に「復活」――。和菓子店「菓心まるいち」(佐賀市)は、夏の和菓子「くずまんじゅう」の入ったかき氷を約半世紀ぶりに復刻した。ふわりとした独特の食感とひんやりとした味わいは、酷暑が続く佐賀の夏を時代を超えて爽やかに彩りそうだ。
くずまんじゅうは、本葛粉(くずこ)を使った透明感のある生地で、あんを包んだ和菓子。プルンとした弾力とつるりとしたのどごしが特徴で、中のあんと相まって涼やかな味わいを楽しめる。
くずまんじゅう入りのかき氷は、店が佐賀市中央本町に店舗を構えていた、昭和30年代後半~同50年代前半に提供されていたとみられる。店は1992年に現在の鍋島町に移転し、近年は提供していなかった。かき氷の当時の記録も残っていないという。
そんな中、当時を知る客から「あの味が大好きだった」などと声が寄せられたこともあり、復刻を決断。ただ、味を再現しようとしても分かっているのは「くずまんじゅうが、かき氷の中に入っていた」ぐらいだった。
そこで、職人が現代の味覚や感覚に合わせて当時のかき氷をリニューアル。シロップも、福岡県八女市星野村産の抹茶や県産イチゴ「いちごさん」、太良産のレモンを使用し、素朴ながらも本格的な味わいに仕上げた。
「復刻版かき氷」は抹茶シロップと抹茶くずまんじゅうの「抹茶」▽イチゴシロップとこしあん入りくずまんじゅうの「いちご」▽レモンシロップと白こしあん入りくずまんじゅうの「レモン」――の3種類。5~7日と25日~9月10日の期間限定で販売する。
鍋島本店(同市鍋島町鍋島)で取り扱い、価格はイートイン(店内飲食)が1320円、テークアウトが1296円。提供時間は午後1~4時で、各日限定30杯(売り切れ次第終了)となっている。
予約は電話(0120・88・7701)か来店、公式ラインで。【石川貴教】
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