トップアスリートも実践 睡眠の「可視化」がパフォーマンス向上に

Date: Category:環境・科学 Views:3 Comment:0
写真はイメージ=ゲッティ
写真はイメージ=ゲッティ

 「寝る間を惜しんで頑張っても思うような結果が出せない」と悩んでいる人は多い。どうすればパフォーマンスを向上させられるのか。その対策として注目されているのが、睡眠の質の「可視化」だ。

好成績の鍵は快眠

 6月17日午前、日差しが時々刻々と強くなるのが分かる。記者(59)は、陸上男子マラソン元日本代表の川内優輝さん(38)らと東京・皇居周辺を一緒に走った。1キロ当たり6分程度のジョギングなのに汗がしたたり落ち、息が荒くなる。この日の都心の最高気温は34・8度まで上昇した。

 熱中症対策で首の日よけ付きの帽子をかぶった川内さんは「真剣にやろうとする人ほど練習だけしっかりやればいいと考えがち。だが、疲れをためない、休養を取ることを忘れてはならない」と語りかける。

 この企画は、睡眠と身体活動の関係を調べる目的で開催された。参加者はガーミン社(本社・米国)のスマートウオッチを装着。機器には心拍センサーや加速度センサーが内蔵され、体の動きや血中酸素レベルなどを分析する。運動中だけでなく、就寝後には睡眠の状態(レム睡眠、ノンレム睡眠、中途覚醒の各時間など)を推定し、独自の算出方法で睡眠の質を100点満点で評価する。

 川内さんの場合、睡眠の質が「悪い」に分類される59点だった2024年12月の「防府読売マラソン」では2時間33分1秒の38位だった。故障から回復途上だったことも影響したとみられる。「序盤から苦しく、心拍数も高かった。最後は足がつり、歩きながらのゴールだった」と振り返る。

 最近は故障から回復したほか、入浴剤の使用や遮光性カーテンを導入したことで「よく眠れている」と感じている。睡眠の質が「とても良い」の90点台が続き、今年4月の「かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン」のフルマラソンでは2時間19分10秒で優勝した。

 「きつい練習でも集中でき、結果が出ている。睡眠の質向上に何が有効か、検証と工夫を重ねている」と語る。

運動や勉強との関係は

 今をときめく米大リーグの大谷翔平選手も睡眠を重視し、長く眠ることで知られている。

 その有効性を示すデータの一つが11年、米スタンフォード大から…

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