世界のプラ汚染を根絶できるか 日本も参加、政府間交渉が5日再開

Date: Category:環境・科学 Views:2 Comment:0
ごみで埋まった水路でプラスチックごみをより分けている男性。ごみはガンジス川を経由してインド洋へ流れる=ニューデリーのタイムール・ナガル地区で2018年6月12日、松井聡撮影 拡大
ごみで埋まった水路でプラスチックごみをより分けている男性。ごみはガンジス川を経由してインド洋へ流れる=ニューデリーのタイムール・ナガル地区で2018年6月12日、松井聡撮影

 プラスチック汚染根絶のための条約策定を目指す政府間交渉委員会が5日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で始まる。前回の交渉ではプラスチックの生産段階の規制を巡って意見が対立し、合意が先送りされた。広がり続ける汚染を防ぐ早急な対策が求められる中、各国が足並みをそろえて実効性のある条約案の合意に至れるか注目される。会期は14日まで。

 交渉委は2022年から始まり、今回が6回目。国連環境総会の決議に基づき、24年末の条約策定を目指していたが、24年11~12月に韓国・釜山であった前回交渉委で結論が出なかった。

 プラ素材の生産削減を訴える欧州連合(EU)や島しょ国などと、それに反対する産油国などの間で主張に隔たりがある。使い捨てプラ製品の規制や資金援助のあり方などでも溝があり、再交渉では各国が合意できる落としどころが探られることになりそうだ。

環境流出、40年で倍増試算

 経済協力開発機構(OECD)の報告書によると、19年の世界全体のプラ生産量は4億6000万トンで、2200万トンが環境へ流出したと推計される。60年には生産量が約3倍(13億2100万トン)、流出量もおよそ2倍(4400万トン)に増えると見込まれる。

 プラスチックは自然分解されにくく、一度環境中に出てしまうと世界の海や陸にたまり続ける。また、微細なプラスチックやそこに含まれる化学物質が人を含むさまざまな動物の体内に蓄積し、健康や生態系を脅かす懸念もある。【高橋由衣】

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