
関西電力が22日、美浜原発(福井県美浜町)内の地質調査再開を発表した。原発の新増設やリプレース(建て替え)を意識したものだが、どうしてこの時期の発表となったのか。今後検討する次世代炉はどういうもので、原発新増設に伴う負担やリスクなどの課題にどう対応するのか。問題は山積している。
関西電力の美浜原発の敷地内での地質調査の再開で原発新増設やリプレース(建て替え)につながる可能性があるが、原発は安全対策の強化や資材価格の上昇により、建設費の増大が見込まれる。さらに新増設などが決まっても、使用済み燃料の搬出先などの課題が残されている。
2011年の東日本大震災を経て、原発建設に想定される費用は膨らんでいる。大型原発を1基建設する費用は1兆円とも言われ、原発の調査開始から実際の営業まで約20年とされる中、物価上昇などもあり、投資回収の見込みは立ちにくくなっている。
このため経済産業省は23年度に開始した二酸化炭素(CO2)を排出しない発電所などの新設を支援する「長期脱炭素電源オークション」を今年6月に見直し、コスト的に原発を建設しやすくする方針を示した。発電所の建設費が上振れした分を電気料金に上乗せして回収できるような仕組みだが、電気の利用者全体で原発新設の一部…
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