子どもの自由研究、どうして夏休みに? 歴史をたどってみると…

Date: Category:暮らし・学び・医療 Views:1 Comment:0
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写真はイメージ=ゲッティ

 夏休みまっただ中、子どもたちの学校によって内容は異なるものの、自由研究は今も昔も宿題の定番の一つだ。しかし、どう取り組んだらいいのか悩んだ人も多いのではないか。

 そもそも自由研究はいつごろから続いているのだろう。

 学校の歴史に詳しい青山学院大の木村元・特任教授(教育学)によると、終戦から2年後の1947年版の学習指導要領には、「教科課程」の中に自由研究が含まれていた。

 占領下で米国の影響も色濃く、教育がめまぐるしく変化した時代。子どもの経験に主眼を置き、一人一人の関心を重視するカリキュラムの下での教科で、現在のクラブ活動や委員会活動なども含まれた。

 ところが4年後の51年版学習指導要領で、自由研究は教科から消えてしまう。木村さんは「多様な子どもの関心を自由研究という一つの教科で受け止めることは難しかった」とみる。

 一方で、子どもたちが自ら学ぶこと自体は「教育に有用」と認められ、自由研究の理念を実現する場として、まとまった時間がとれる夏休みを利用するやり方が定着していったという。

 生成AI(人工知能)が台頭し、人間が考える力がますます問われる時代。文字通り「自由」に「研究」する意義が再認識されても良さそうだ。【後藤豪】

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