「パレスチナの国家承認を」 ガザ飢餓拡大で人道外交議連が緊急総会

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 パレスチナ自治区ガザ地区で人道危機が深刻化する中、パレスチナの国家承認を求める超党派の「人道外交議員連盟」は5日、国会内で緊急総会を開いた。主要7カ国(G7)のうちフランス、英国、カナダが9月の国連総会をめどに承認する方針を示す一方、日本政府は慎重な姿勢を崩していない。議連側は「停戦と飢餓防止のため、今こそ国家承認すべきだ」と改めて政府に要望した。

 冒頭、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田明宏・保健局長がオンラインで参加し、イスラエルがイスラム組織ハマスを標的に攻撃を続けるガザ地区の現状を報告した。

 今年3月にイスラエルがガザを封鎖し、支援物資の搬入を停止したことで食料事情は著しく悪化。ガザ市に暮らす生後6カ月から5歳未満の乳幼児のうち、およそ5人に1人が栄養失調に陥っているという。

 清田局長は、特に子どもや高齢者など弱い立場の人が犠牲になっていると指摘し、早期停戦と食料の大量搬入の必要性を訴えた。

 飢餓の拡大を招いたとしてイスラエルへの国際的な批判は強まっており、圧力をかけるためパレスチナの国家承認を巡る動きも加速している。フランスに続いて、英国やカナダも条件付きで承認する方針を表明。国連加盟193カ国のうち約150カ国が国家承認しているが、G7メンバーによる承認は初めてとなる。

 一方、日本政府は、イスラエルと将来的なパレスチナ国家の共存を目指す「2国家解決」を支持している。人道議連は7月上旬、議員146人分の署名とともに承認を求める要望書を提出したが、政府は「和平を後押しする観点から、適切な時期やあり方を含め、総合的に検討したい」として慎重姿勢を崩していない。

 議連の阿部知子事務局長(立憲民主党)は「ガザ地区は一刻の猶予も許されない。政府に対し、国家承認の迅速化とともに、人道支援物資の搬入や医療避難の加速も申し入れていきたい」と述べた。【飯田憲】

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