
オーストラリア政府は5日、2030年の運用開始を目指す海軍の新型フリゲート艦に、日本の三菱重工業が開発した「もがみ型」の改良型を採用すると発表した。計画は今後の日豪の関係や安全保障にとってどのような意味があるのか、慶応大の鶴岡路人教授(国際政治学)に聞いた。【聞き手・古川幸奈】
正式決定は先だが、日豪関係では画期的
正式に契約が実現すれば、日本の防衛産業と日豪関係にとって非常に画期的だ。日本はこれまで防衛装備品の輸出を試みてきたが、成功事例はほとんどなかった。安全保障上、豪州が日本との関係を重視している証しでもあるだろう。
ただし、正式な決定はまだ先で、優先的な交渉相手の地位を得たにすぎない。もし今後の交渉が失敗すれば日豪関係に水を差すことになる。大型の契約交渉の経験がない日本にとっては、…
Comments