
“選挙モンスター”と呼ばれるあの人に、いつものような冗舌さや笑顔はなかった。
「国政選挙は国政政党の選択になってしまう。減税日本はなかなか出てこんかった」
参院選が投開票された7月20日夜、前名古屋市長の河村たかし衆院議員(76)はそう“敗戦”の弁を述べた。
河村氏と百田尚樹代表に確執?
改選4議席を巡り14人が乱立した愛知選挙区。地域政党「減税日本」を率いる河村氏は、自身の秘書を長年勤めてきた田中克和氏(41)を擁立した。
1993年衆院選で初当選して以降、名古屋市長選も含め11連勝中の河村氏。自身の選挙で何度も既成政党を負かしてきた実績がある。
昨秋の名古屋市長選では、後継指名した広沢一郎氏(61)を支援し、自民、立憲民主、国民民主、公明の4党が相乗り支援した元参院議員らを破り、初当選に導いた。
今回も“河村劇場”が繰り広げられるのかに注目が集まったが、蓋(ふた)を開ければ田中氏は25万4938票を獲得したものの、6位に沈んだ。
選挙モンスターが黒星を喫した理由は何だったのか。
落選の裏に、河村氏が共同代表を務める日本保守党内での不協和音がちらつく。
田中氏は昨年10月の衆院選で、保守党公認で愛知5区から立候補。地道な活動を続け、今回の参院選でも当然、保守党公認での出馬を予定していた。
だが、なぜかいつまでたっても…
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