かつて「70年は草木も生えない」と言われた広島。6日に80回目の原爆の日を迎えた。戦後の市民に希望を与えたのが熱線に焼かれても生き残った「被爆樹木」だ。
映画監督で作家の石田優子さん(47)=東京都世田谷区=は6月、被爆80年の節目に児童書『新版 広島の木に会いにいく――被爆樹木が見る未来』(偕成社)を刊行した。被爆樹木の「治療」を続ける樹木医の堀口力さん(80)=広島市西区=らを取材したノンフィクションだ。被爆の実相を数世代先に伝え継ぐにはどうすればよいか。人間よりもはるかに長生きする樹木に可能性を感じる石田さんは、「原爆投下から長い時間がたち、樹木を通じても平和の大切さを届ける時が来たと感じる」と話す。
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