
日本維新の会が掲げる「副首都構想」が党内外で波紋を広げている。大阪を念頭に、首都の代替機能を置く構想だが、国会が衆参ともに少数与党となる中、党内からは構想実現に向けて自公連立政権への参加を求める声が浮上。一方、大阪以外の維新関係者からはローカル化を危ぶむ声も出ている。全国政党か地域政党か、連立入りか否か――。党勢が伸び悩む中で、維新は岐路に立っている。
ローカル政党化に懸念の声
「副首都構想を大阪維新の会がおっしゃることによって、他の地域からは、再び地域政党へ回帰しているように見えるという声をたくさんいただいた。このままだと維新は全国政党ではなくなるということだ」
7月31日、国会内であった維新の両院議員総会。前原誠司共同代表は副首都構想に対し、大阪以外を地盤とする議員から懸念が寄せられていることに言及した。
総会終了後、前原氏は記者団に「関西以外でも、地方議員や党員が維新の旗を守っている。全国政党化の目標を維持することをしっかりと総括したい」と語った。
維新は参院選公約の4本柱のうち、東京一極集中から多極分散型国家への転換を目指す副首都構想を、社会保険の制度改革に次ぐ2番目に掲げた。
吉村洋文代表(大阪府知事)は参院選後の22日の記者会見で、構想実現に向けて法案化の作業に入ると表明。30日の党会合で「大阪市と大阪府が一つになって強い行政機構を作り、副首都になっていく」と述べ、維新の看板政策である「大阪都構想」の延長線上にあることを強調した。
大阪維新の会の地方議員らも制度設計に向け、国会議員との意見交換を要請するなど積極姿勢を見せた。
「少数与党」野党には政策実現の好機
なぜ、維新がここに来て副首都構想に力を入れるのか。
背景には…
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