巨人―ヤクルト(7日・東京ドーム)
ミットからこぼれ落ちる白球とともに、白星がするりと遠ざかった。日米通算199勝目を逃し、ベンチの巨人・田中将大はぼうぜんとグラウンドを見つめた。
1点リードの六回。エラーと四球で2死一、二塁のピンチを招いて降板した。マウンドを継いだ船迫大雅はヤクルトの中村悠平に左前打を許し、二塁走者・村上宗隆が本塁に突入。外野からの返球は素早く、タイミングはアウトに思えた。しかし、捕手が捕球できず、球審が両手を横に広げた。六回途中2失点と粘った田中は勝利投手の権利を失い、「ランナーを残してマウンドを降りて悔しい」と反省を口にした。
3カ月の調整期間の成果は垣間見えた。45歳の石川雅規と投げ合い、四回2死まではパーフェクトピッチングを披露。軸足にしっかりと体重の乗った直球には力があった。課題だったスプリットもコーナーに決まった。
三回先頭の打席では石川から二塁打を放ち、先制のホームも踏んだ。日米通算200勝まで残り「2」。足踏みは続くものの、確実に前進している。【牧野大輔】
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