「映え」なんて気にしない ブロニカSで記録する日常

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見やすい陳列方法ですね=茨城県南部で2025年5月8日、中村琢磨撮影
見やすい陳列方法ですね=茨城県南部で2025年5月8日、中村琢磨撮影

 2022年7月にこの連載で取り上げた「これぞ元祖インスタ映え?」で使ったのは、ZENZA BRONICA S2でした。今回のカメラは、その一世代前の「S」です。似たようなカメラを使っても、被写体や撮り方が違えば、印象が変わります。同じ場所で撮影しても、人が違えば写真も全く違ってくるのは当然ですね。【中村琢磨】

駅のすぐそばの小さな踏切は警告板もさび放題=茨城県南部で2025年5月23日、中村琢磨撮影
駅のすぐそばの小さな踏切は警告板もさび放題=茨城県南部で2025年5月23日、中村琢磨撮影

 兄弟が、風貌や体形はそっくりでも性格は正反対、なんていう事はよくありますよね。派手な「インスタ映え」を狙って他人を意識しまくる弟のS2と、「素朴な日常」を愚直に撮り続ける兄のS。なーんて、本当はカメラ兄弟の性格を示したのではありません。単に、撮影者の気まぐれなのですよ。

通行人も壁画に溶け込む=茨城県南部で2025年5月12日、中村琢磨撮影
通行人も壁画に溶け込む=茨城県南部で2025年5月12日、中村琢磨撮影

 実はプリズムファインダーを6×6で本格的に使うのは、初めてでした。6×4.5のフィルムバックを装着する時に、ウエストレベルファインダーだと縦位置撮影が不便で例外的に使っていたけど、縦横を意識しない6×6ではウエストレベル一辺倒だったのです。カメラを構える高さが数十センチ上昇しただけで、撮影勝手が結構違ってくるものです。

街路樹の整備には随分、労力とお金が必要だね。切っても切ってもすぐ伸びる=茨城県南部で2025年5月15日、中村琢磨撮影
街路樹の整備には随分、労力とお金が必要だね。切っても切ってもすぐ伸びる=茨城県南部で2025年5月15日、中村琢磨撮影

 とはいえそこは昔“撮った”杵柄(きねづか)。カメラを構えれば体が動きます。「自分で決めた露出で、1カット決め打ち」というのもお気楽、極楽です。なにより「目で見たらつまらない光景でも、写真にすると面白いよ!」とカメラが教えてくれるのです。

 何でもない日常の記録を残すのは、クラシックカメラが得意とするところなんでしょうね。むしろ何かと命令してくる最近のデジタルカメラがうっとうしく思える時があります。

撮影機材

プリズムファインダーとNikkor-Q13.5cm F3.5を装着したZENZA BRONICA S。左はNikkor-P 7.5cm F2.8=中村琢磨撮影
プリズムファインダーとNikkor-Q13.5cm F3.5を装着したZENZA BRONICA S。左はNikkor-P 7.5cm F2.8=中村琢磨撮影

ZENZA BRONICA S(プリズムファインダー装着)、Nikkor―Q13.5cm F3.5、Nikkor-P 7.5cm F2.8

 1961年発売の6×6判のフィルムバック交換式フォーカルプレーンシャッター式一眼レフで、上からのぞくウエストレベルファインダーが標準装備されています。65年発売の後継機S2も形状は似ていますが、最大の違いはピントの合わせ方。Sは直進式、S2は回転式ヘリコイドです。Sには、衝撃緩和のための「ミラー先落とし」機能があります。

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