
世界は第二次世界大戦をどう総括しているのか。政治や社会、歴史認識が複雑に絡み合う各国の戦争博物館の現場から報告し、戦後80年を迎える日本でも考えたい。
ポーランド政権による博物館への介入
歴史認識を巡り対立する保守派とリベラル派の歴史学者だが、ともに政治の過剰な介入には反対する。
ポーランドは歴史学と政治の関係が強い。6日に就任した右派政党「法と正義(PiS)」のナブロツキ大統領は歴史学者で第二次世界大戦博物館の元館長だ。中道「市民プラットフォーム」のトゥスク首相もグダニスク大歴史学部出身だ。これまで何度も他国の侵略によって独立を失ったこの国で、歴史学はアイデンティティーを維持するために最も重要な学問だとみられている。
政権による博物館への介入は、第二次大戦博物館の館長交代以外にも起きている。
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