若手バレエ国際コン1位の杉本奈槻さん、モナコに留学へ 三重

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モナコへ留学が決まった杉本奈槻さん(右)と小原芳美さん=三重県庁で2025年8月4日午後1時57分、下村恵美撮影 拡大
モナコへ留学が決まった杉本奈槻さん(右)と小原芳美さん=三重県庁で2025年8月4日午後1時57分、下村恵美撮影

 若手バレエダンサーが競う国際コンクール「ユース・アメリカ・グランプリ」(4月)のクラシック部門ジュニア女子(12~14歳)で1位に輝いた三重県四日市市立常磐中1年の杉本奈槻(なつき)さん(12)が、9月からモナコ王立プリンセス・グレース・バレエ学校へ留学する。5歳でバレエを始めた杉本さんの夢は、ロイヤルバレエ団(英国)でプリンシパルとして舞台の中央で踊ること。その夢に向かって大きな一歩を踏み出す。

 バレエを始めたきっかけは、父親の仕事の関係でインドで暮らしていた時に友達に誘われ「楽しそう」と思ったから。しばらくして父の転勤が決まり、両親の出身地の四日市市での生活が始まった。

 三重でバレエを続けるつもりはなかったが、たまたま祖母の家の近くに「小原芳美バレエスタジオ」があった。祖母に誘われてスタジオを訪れると、バレエへの思いが再燃した。

 当時6歳だった杉本さんを見た小原芳美さん(75)たち講師陣は驚いた。左右のかかとを付けたまま足の内側を前に向ける「ターンアウト」が既にできていたからだ。体得するのに10年はかかる難度の高い技。バレエの体つきだと直感し「将来えらいことになる」と思ったという。

一見勝之・三重県知事(手前)にバレエでのモナコ留学を報告する杉本奈槻さん(左)と小原芳美さん=県庁で2025年8月4日午後1時53分、下村恵美撮影 拡大
一見勝之・三重県知事(手前)にバレエでのモナコ留学を報告する杉本奈槻さん(左)と小原芳美さん=県庁で2025年8月4日午後1時53分、下村恵美撮影

 厳しくも大切に育てた小原さんは「指導を受けたことをその場で理解して修正できる」と評し、その魅力を「ポーズの完成度、角度、ポーズからポーズへのつなぎがシャキッとしていて奇麗なところ」と語る。

 ポーズをきれいに見せる体幹の強さは、2人の兄の後を追って始めた剣道にある。杉本さんは小学生の全国大会出場も果たす剣道の実力者でもある。

 ユース・アメリカ・グランプリはプロへの登竜門と言われる大会。杉本さんには、ロイヤルバレエ団に多くのダンサーを輩出するロイヤルバレエ学校(英国)からも声が掛かったが、レッスン時間などが多いプリンセス・グレースを選んだ。

 留学期間は1年。杉本さんは「上半身の扱い方や表現力に磨きをかけたい」と目標を掲げ、「日本の友達と会えなくなるのはさみしいけど頑張ってきます」と表情を引き締めた。【下村恵美】

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