創成館監督「引っ張ったら負ける」　無安打継投の舞台裏　夏の甲子園

　全国高校野球選手権大会は第8日の13日、阪神甲子園球場で2回戦があり、創成館（長崎）が神村学園（鹿児島）に1―0で勝利して、2年ぶりに3回戦に進出した。1大会2勝は夏は初めて。

　先発に抜てきされた奥田晴也投手（3年）が6回無安打と快投し、エースの森下翔太投手（3年）が締めた。試合後の創成館の稙田龍生監督の試合後の主なコメントは次の通り。

創成館・稙田龍生監督

　奥田は変化球でうまく緩急を使っていた。無安打で内容もよく、継投のタイミングが難しかった。（攻撃では）安打がたくさん出ても点が入らない流れだったので、どうしても1点が欲しい七回、打順が回ったところで代打を送った。

　相手も初戦で硬さがあったが、投手陣がよく頑張った。創成館らしい守り勝つ野球ができて最高でした。

　（森下へのスイッチは）「代えるタイミングがないな」と思っていた。でも、「これは（奥田を）引っ張ったら負けるパターンだな」と自分でも思った。スパッといこうと思いました。継投で迷った時は、代えるようにしています。

　（奥田の代打の吉田鷹人選手＝3年＝が安打で出て、ホームを踏んだ）練習を一番している子。なんとかしてくれると思っていた。（代打で）いつ行こうか、いつ行こうかと待っていましたので。

　先発は今朝まで悩んでいた。「どういうピッチャーならタイミングが合わないだろう」と考えながら相手のビデオを見ていて、鹿児島大会準決勝の樟南戦で奥田と同じようなタイプの投手に合っていなかった。一か八かで、決めました。

　（交代を告げた奥田の反応は）ニコッとしていましたね。「いいピッチングをしたままで代えるから」と言いまして。

　森下だけに頼らず、奥田が出てきたので、この先が楽しみですね。