厳しい暑さが続いています。外出する時は日傘が欠かせません。ところで、目も「日焼け」することをご存じですか? 注意点を分かりやすくQ&A形式で解説します。【矢澤秀範】
Q 日差しが強くて目が充血したんだけど、日焼けと関係あるの?
A はい。顔や腕などの皮膚だけでなく、目も紫外線対策をしないと「日焼け」することがあります。充血は、紫外線が角膜や結膜に吸収されて炎症を起こしたものです。一晩寝るなど時間の経過とともに治まります。
Q なんだ、すぐ治るんだね。
A 油断してはいけません。金沢医科大眼科学講座の佐々木洋主任教授によると、子どもの時に浴びた紫外線は蓄積され、将来の目の病気に影響します。研究グループの調査では、長時間強い紫外線を浴び続けると白内障の進行を早めることが分かったといいます。老眼も早まり、白目の一部が黒目の方に伸びてくる翼状片(よくじょうへん)や、白目にシミ状の隆起ができる瞼裂斑(けんれつはん)の発症リスクも高まるとのことです。
Q それは心配だ。みんな対策しているの?
A 皮膚の日焼けほど理解は広まっていません。医薬品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」と日本気象協会が6月に10~50代の男女1123人に実施した調査では「ここ数年で日常生活で浴びる紫外線が増えたと感じる」と回答した人は半数以上でした。一方で、目の健康を守る取り組みについては「何をすればいいのか分からない」「なかなか行動に移せない」と回答した人が66・2%に上りました。
Q 目を守るためにどうしたらいい?
A 気象庁が公開している紫外線の強さを表す指標「UVインデックス」を参考に、紫外線が強くなる時間帯は外出を控えましょう。佐々木教授によると、指標は皮膚に対するもので、目の場合は昼だけでなく朝夕も注意が必要です。つばの長い帽子や日傘に加え、サングラスやコンタクトレンズなど複数のアイテムで対策をするとよいでしょう。
Comments