NY株、過去最高値を更新 FRB議長利下げ示唆で800ドル超高

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米連邦準備制度理事会(FRB)本部=米ワシントンで 拡大
米連邦準備制度理事会(FRB)本部=米ワシントンで

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日、次回9月会合での利下げを示唆した。実際に利下げすれば2024年12月以来、6会合ぶり。ニューヨーク市場ではパウエル氏の発言直後にダウ工業株30種平均が急騰し、前日比846・24ドル高の4万5631・74ドルと、過去最高値を更新して取引を終えた。

 パウエル氏は米西部ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた経済シンポジウムでの講演で、市場予想を大きく下回った7月雇用統計などを根拠に「雇用の下振れリスクが高まっている」と強調した。トランプ政権の大規模関税による物価上昇(インフレ)リスクについて「目に見える形で表れてきている」と警戒しつつも、「短期的で1回だけの変化」の可能性が高いとして、インフレより雇用悪化を重視する姿勢を示した。

 そのうえで「リスクバランスの変化により、政策スタンスの調整が正当化される可能性がある」と明言。「政策変更の検討は慎重に進められる」とも述べたものの、市場では9月会合での利下げを示唆したとの受け止めが広がっている。

 FRBは、トランプ政権の大規模な関税引き上げがインフレを再燃させる恐れがあるとみて、1月から5会合連続で金利を据え置いてきた。ただ、7月会合の直後に発表された雇用統計では、過去の就業者数が大幅に下方修正されたこともあり、堅調に推移してきた雇用環境の悪化懸念が浮上。4月以降の関税引き上げにもかかわらず目立ったインフレが起きていないこともあり、市場では「FRBが9月会合で利下げに踏み切る」との観測が強まっていた。【ワシントン大久保渉】

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