今年、戦後80年の節目を迎える。
戦争が終わらない。再び、人の命が粗末に扱われている。核のリスクは日々、確実に増している。そうした中、『ナガサキ 核戦争後の人生』(邦訳2019年、みすず書房)を書いたアメリカの作家スーザン・サザードさんと、「禎子の折り鶴」で知られる佐々木禎子さん(1955年死去)の兄で、平和活動家の佐々木雅弘氏に話を聞いた。3回に分けて報告する。
サザードさんは『ナガサキ』で5人の被爆者の苦悩の人生について書いた。数々の賞を受賞しているこのノンフィクションは、5人の終わりなきトラウマを世界に伝えている。長崎への取材の旅は5回を数え、被爆者へのインタビューと調査と執筆に、合わせて12年を費やした。傷ついた長崎を思う著者の気持ちであふれている。
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