千葉市美術館(同市中央区)は今年、開館30年を迎える。その現代美術コレクションを特集した記念展「未来/追想 千葉市美術館と現代美術」が開催中だ。計183点、62組の作家の作品が主に二つのフロアにわたり展示される。さながら、日本における20世紀後半の現代美術のショーケースのよう。「30年の時間の重みを感じていただければうれしい」。担当の森啓輔学芸員は話す。
開館は1995年11月。コレクションの収集方針の3本柱が、「近世から近代の日本絵画と版画」「1945年以降の現代美術」「千葉市を中心とした房総ゆかりの作品」だった。森学芸員によると、公立美術館としては後発組に属し、91年に現代美術の収集を開始した際には、他館との差別化を図る必要があった。そのため、満遍なく集めるのではなく、ある年代における一作家の作風の変遷に注目したり、グローバルに活躍する日本の…
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