毎日新聞書評欄のコラム「話題の本」を担当する芸人のヒコロヒーさんが初の短編小説集『黙って喋(しゃべ)って』で第31回島清(しませ)恋愛文学賞を受賞し、東京都内で記者会見を開いた。ヒコロヒーさんは「手に取って読んでいただいた皆さんが黙らずに反響をくださったおかげ」と感謝を述べた。
本書は18編からなる恋愛小説集で、都会に住む男女の繊細な会話や行き違いの切なさに心を揺さぶられる。各編のタイトルは「ばかだねえ」「あと十分だけ」など印象的なセリフで構成されている。自身の恋愛経験が影響しているかを問われると「0%で、まるっきり想像の作り話」とけむに巻いた。
テレビや舞台、ラジオなど縦横無尽の活躍が続く。ドラマの脚本を執筆した経験もあるが、本書を基にした脚本を書くか聞かれると「私の仕事はもう終わった」といったんは否定しつつ「今はちょっと……仕事との兼ね合いですかね」と含みを残した。執筆関係の仕事もさらに増えそうだが「無理のない範囲でやっていけたら」と意欲を見せた。
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