ロシア・カムチャツカ半島付近で地震が起きた前日にあたる29日、千葉県の海岸で「浅瀬に大きさ7~8メートルのクジラが4匹ほど座礁している」と通報があり、警察官が現場で4頭のクジラが打ち上げられているのを確認しました。交流サイト(SNS)では、地震との関連を指摘する投稿も見られましたが、これまでの研究では「地震と集団座礁の相関関係は見いだせない」とされています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「クジラの集団座礁と地震の関係」を解説します。
Q クジラが座礁したって聞いたよ。どこで起きたの?
A 千葉県館山市の平砂浦海岸で、4頭のクジラが浅瀬に座礁しているのが見つかりました。
Q どうして座礁したの?
A 座礁の原因ははっきりしていませんが、迷いやすい海底地形や、船のソナーの音波などが影響することがあると考えられています。クジラなどが集団で打ち上げられることを「マス・ストランディング」と呼びます。
Q 地震と関係があるの?
A 大地震が起こると、クジラやイルカの集団座礁との関連がたびたび話題になりますが、根拠はありません。
Q 前にも同じようなことがあったの?
A 2011年の東日本大震災の7日前にも、茨城県の海岸でカズハゴンドウ54頭が集団座礁したことがありました。
Q なら地震と関係があるんじゃないの?
A そうとも言えません。東海大学の研究チームの分析結果によると、1923~2011年に国内で複数の鯨類が同時に浜辺に打ち上げられるなどした48事例を調べたところ、座礁現場の200キロ圏内でマグニチュード(M)6以上の地震が座礁から30日以内に発生したのは2回だけでした。
こうしたことから、「地震と集団座礁の相関関係は見いだせない」とされています。
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