事前の防衛策もむなしく、生成AI丸投げと思(おぼ)しき学生のレポートがわんさと出現する。といって即断もできず、猜疑(さいぎ)の視線をほんのりキープしたまま、場合によっては本人の何十倍かになるかもしれぬ時間を投じて、AIっぽい文章の群れとひたすら.人間的に向きあい続ける難行(何かを評定する者の労力の大部分は今後この手の工程に充てられる)に消耗したからというのでもないけれど、逃げるように高速をとばしてキャンプ場へ向かった。
子どもらが寝静まれば、そっと這(は)い出て恒例のソロ焚(た)き火をやる。一本また一本と薪(まき)をくべては、ちびちび時間を奪い返す。薪も底をつき埋火(うずみび)になると星が爆増した。送る風のリズムに同期して、ぷっと赤い息を吹き返す炭の斑点を見るうち、もう終わりというのに、反対に宇宙や生命のはじまりが連想される。
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